不動産の無償譲渡について
2022年12月2日更新
不動産(土地や家)を無償譲渡でもらう場合の流れを紹介させていただきます。
※最新情報や詳細は専門家へ相談し進めてください。
大きく分けると
の2つです。
0円の民間の空き家物件を取得して貸す方法です。
贈与前の調査
無償で家をもらう際に、以下などの事前調査を行いましょう。
※専門家に調査をしてもらった方が確実ですが、リスクを承知の上でご自身で行われるのも可能ではあるとは思います。
a. 書類上の調査。基本的には、登記事項証明書を取得し、情報を確認しましょう。
登記事項証明書は誰でも取得することができ、所有者の住所氏名や取得した原因、担保権等が載っています。
b. 環境上の安全性の調査。調査方法としては、例えばハザードマップを調べる等です。
c. 家や土地自体の安全性の調査。例えば住宅診断という方法があります。家をもらいたい側が、あげる側に連絡をして、下見や住宅診断(ホームインスペクション)の提案をしてみましょう。
まぁ無償で家をもらう際に、どこまで調査をし、どこまでお金をかけるかという話しになってくるのですが、さらにお金をかけて地歴調査や土壌汚染調査等も行うと安全かと思います。
a. 書類上の調査。登記事項証明書について
・登記事項証明書は誰でも取得することができ、所有者の住所氏名や取得した原因、担保権等が載っています。
ただし登記事項証明書が、「最新の情報や100%の真実」を記載しているとまでは言えません。
現在の状況とは異なっている場合も有ります。
例えば、登記事項証明書に掲載されている所有者は既にお亡くなりになっていて、実際の所有者は違う人だった等。
・登記事項証明書は、以下の法務局サイトからオンラインで10分程度で取得できます。
法務局 - 登記事項証明書(土地・建物),地図・図面証明書を取得したい方
・登記事項証明書の取得時には、家の場合は「家屋番号」、土地の場合は「地番」の入力が必要です。
家屋番号や地番が分からない場合、住所が分かっていれば、法務局に電話して「地番照会をお願いできますでしょうか。はい、住所は○○市○○町123番地です。」と伝えると教えてもらえます。
旭川地方法務局 - 【証明書関係】地番を調べる方法はありますか。
他には、固定資産税の納付書や、登記済権利証(権利証)にも家屋番号や地番の記載があります。
または法務局に備え付けているブルーマップ(ゼンリンが発行)でも確認できますし、法務局に備え付けのパソコンで検索できる場合もあります。
b. 環境上の安全性の調査
その土地や家屋の環境や周囲の安全性などについて、ハザードマップ以外にも、市役所に行くと、土壌汚染のことや安全性以外にも再建築等に関しての情報をいただける場合があります。
c. 家や土地自体の安全性の調査
前述の住宅診断(ホームインスペクション)などで、専門家の判断を仰ぐのも大事だと思います。
※国土交通省 - インスペクション(既存住宅の点検・調査)ページの「既存住宅インスペクション・ガイドライン(本文)」というPDF資料もご覧になってみて下さい。
また、埋設物の調査までする場合は、例えばレーダー調査等があります。
埋設物の調査とは、地中に浄化槽、地下室の残骸、廃棄に高額な処理料のかかるもの(アスベスト/ダイオキシンに関するもの等)、がれき等が無いかを調べる調査です。
贈与に関する手続き
次は贈与に関する手続きです。
贈与に関する手続きを司法書士さんや、代理人の不動産業者に依頼しましょう。
贈与(無償譲渡)の場合、基本的には「譲る側が契約不適合責任を負わない。且つ、現状渡し。」という契約になるかと思います。
※「契約不適合責任」は従来(2020年4月以前)の瑕疵担保責任から改正されました。
その他の契約の取り決めも、一般の方には見えない点(思いつかない点)もありますので、やはり不動産コンサルタントさんなどに仲介に入ってもらう方が安全かと思います。探す場合は「不動産 エージェント」「不動産 仲介」などでインターネット検索してみてくださいね。
専門家に依頼せずに、面倒ではありますがリスクを取ってご自身で行うことも可能ではあるとは思います。
「専門家の相談窓口」の一例
・相談さぽーと(法律全般、相続など)
→メールで簡単に相続などの質問ができます。
・全宅連
→ハトマークグループでは不動産に関する各種無料相談を行なっています。
・不動産ジャパン
→不動産に関する無料相談のリンクなどを紹介しています。
それでは以下から実際の贈与の手続きの流れを紹介します。
ここでは例として「個人の一軒家を、個人が無償譲渡でもらう場合」の流れを紹介します。
注意事項
情報が古くなっていたり、認識が異なる場合がありますので、くわしくは代理人の不動産コンサルタントや司法書士さんへの確認をお願いします。
贈与の手続きの流れの一覧
・贈与契約書の作成と締結
・所有権移転登記
・登録免許税
・贈与税
・不動産取得申告書と不動産取得税
・毎年支払うもの
贈与契約書の作成と締結
贈与契約書を作成し、締結します。
所有権移転登記
所有権移転登記を行います。
イメージしやすい言葉で言い換えると「不動産の名義変更」です。
法務局 - 不動産登記の申請書様式について - 所有権移転登記申請書(贈与)
登録免許税
所有権移転登記の際に、登録免許税という税金を納めないといけません。
税額は、建物も土地もそれぞれ「固定資産税評価額x0.2%」です。
※固定資産税評価額は以下に載っています。
・固定資産税の課税証明書
・固定資産評価証明書(役所で入手できます。)
・固定資産税台帳(役所で閲覧できます。)
贈与税
不動産の贈与を含めて1年間(1月1日~12月31日)の贈与の合計額が、基礎控除額の110万円を超えた場合、支払いが必要です。
支払いは、翌年の2月1日~3月15日の間に支払います。
贈与税の速算表を使って計算します。
※間違いやすい点なのですが、不動産を無償譲渡されたケースのため、値段は0円なのですが、この贈与税の算出で必要な「贈与財産価額」は0円ではありません。
不動産(土地や、それに定着する建物等)の「贈与財産価額」について
→不動産の「贈与財産価額」は、相続財産を算定し表される価額である「相続税評価額」と同じです。
家屋の「贈与財産価額」について
→基本的には固定資産税評価額のことです。ただ、第三者に貸していた一軒家を無償譲渡でもらう場合は、少し安くなります(固定資産税評価額の7割で良い)。
土地の「贈与財産価額」について
→土地の評価方法には、路線価方式と倍率方式があります。「土地家屋の評価 国税庁」を参照してください。
不動産取得申告書と不動産取得税
都道府県のホームページ等で、「不動産を取得して○○日以内に、不動産取得申告書を提出してください。」との案内が有りますので、それに従い不動産取得申告書を提出しましょう。
そして数カ月後に不動産取得税の納税通知書が届きますので、支払います。
金額は「固定資産税評価額x4%」です。
都道府県の特例措置によって、3%などに軽減されている場合もあります。
毎年支払うもの
あとは、毎年払うものとして
・固定資産税
・都市計画税
・(任意ですが)火災保険
・(別荘等の場合、)管理費
も毎年の支払いに入りますね。
固定資産税は、「固定資産税評価額x1.4%」です。
都市計画税は、「固定資産税評価額x0.3%」です。
以上です。
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